――現在のお仕事について教えてください。
チアリーディングのコーチや、大会に合わせた演目構成を考えるコレオグラファー(振付師)、大会の審査員などを務めています。コーチを始めたのは2012年からで、アシスタントコーチとしての経験を積んだ後、2019年よりヘッドコーチとしての活動も徐々に開始。2022年には日本代表ヘッドコーチに就任し、それ以降世界大会に2度同行しました。
――早稲田アカデミーはどんな雰囲気でしたか?
とにかくクラスの仲がよくて、早稲田アカデミーに行くのが楽しみでした。「クラスみんなで頑張ろう」という雰囲気を先生方がつくってくださったのだと思います。教室に入ると、自然と「よしっ!」と思える、そんな雰囲気が本当に好きでした。今でも心に強く残っています。
――高校受験の結果はいかがでしたか?
受験した高校全てから合格をいただき、希望の進路を実現できました。特に、英語はどの高校の過去問を解いても「満点が取れる!」と自信を持てるほど、大きく力が伸びました。
――当時の、忘れられない思い出はありますか?
同じクラスにいたライバルの存在ですね。毎月発表されるテストの順位で、「絶対に負けたくない!」と思って頑張っていました。クラス内で行われる小テストも、「その子に勝つために頑張る」という気持ちでした。競い合える相手の存在が、大きな刺激になっていたと思います。
――「勝ちたい」という気持ちは、チアリーディングでも大切ですか?
そう思います。「○○さんに勝ちたい」とか、「このパートでは絶対に誰にも負けない」とか、そういう気持ちは努力を続ける原動力になります。チアの場合、ときには仲間同士で想いが衝突することもあります。でも、私は指導者としてそういった衝突を無理に抑えることはしません。一人ひとりが持つ「譲れない想い」が、結果としてチーム全体の成長につながると信じているからです。
――「早稲田アカデミーでの経験が生きているな」と感じることはありますか?
「仲間と一緒に挑戦する」という経験ができたことは、すごく大きかったと思います。チアリーディングは、1人ではできません。高い目標に挑む過程ではつらいこともありますが、仲間がいるから頑張れる、乗り越えられるんです。私にとっては、高校受験も同じような体験でした。もちろん、志望校は一人ひとり違いますが、同じ教室のなか、みんなが「合格」に向けて頑張っている。仲間と一緒に壁を乗り越えた経験は、私の原点になっていると思います。
――指導者として、ご自身の経験をどのように伝えていますか?
大会に出るからにはチームが立てた目標を必ず達成できるように練習をこなすべきです。でもそれだけではなく、目標に向けて仲間と一緒に努力する、その時間そのものが一つの「成果」であり、価値あるものなんだよ、ということを伝えられたらいいな、と考えています。
――あらためて、「早稲田アカデミーに通ってよかった」と思うことを教えてください。
繰り返しになりますが、一つは「仲間」の力を知ったことですね。もし私が1人で高校受験に挑んだなら、挫折をしていたかもしれません。仲間やライバルがいたからこそ、自分の限界を打ち破り、高い壁を越えていくことができました。
また、早稲田アカデミーの先生方は本当に熱心で、私が質問すると、忙しいときでもわかるまで真剣に向き合ってくださいました。私の合格のために、私と一緒になって戦ってくれたんです。自分が指導者になって、それがどれほど大変なことか、あらためて気付きました。私は、早稲田アカデミーで高校受験を経験できて本当によかったと思います。
チアリーディング振付・指導者。現役時代はチアリーディング選手として世界大会に4度出場。2017年~2020年までオーストラリア・メルボルンでチアリーディング選手兼コーチとして活躍。2022年チアリーディング日本代表ヘッドコーチに着任。日本の競技チアのレベルアップのため日々精力的に活動する。